鮭
さけ
Salmon
縄で吊るされた新巻鮭を、縦に細長い画面いっぱいに描いた油彩です。半身を切り取られた赤い身と銀色の皮の質感を描き分け、日本の近代洋画の出発点とされる高橋由一の代表作です。
- 画家
- 高橋由一
- 制作年
- 明治10年(1877)頃
- 技法・形式
- 油彩
作品に ついて
細長い画面の上から荒縄が下がり、塩漬けにした鮭が頭を上にして吊るされています。胴の上半分は身が切り取られ、赤い身の筋と白い脂が見えます。下半分には銀色の皮とうろこが残り、尾は乾いて反り返っています。背景は茶色一色で、鮭の形と質感だけが浮かび上がります。
うろこの一枚一枚や、皮の乾いた質感、身の切り口まで、油絵具で丹念に描き分けられています。台所にある身近な食べ物を、ここまで実物らしく描くこと自体が、当時の日本の絵画では新しい試みでした。
高橋由一は江戸幕府の洋書調所の画学局で西洋画を学び、明治のはじめに油絵の普及に力を尽くした画家です。由一は鮭を何度も描いており、山形美術館などにも別の作品があります。明治10年(1877)頃の本作は、紙に油絵具で描かれています。
本作は東京藝術大学が所蔵し、1967年に重要文化財に指定されました。自然をよく観察して写し取る描き方によって、日本の近代美術の出発点を示す作品と位置づけられています。
どこで 見られる?
展示は時期によって入れ替わります。訪れる前に、各館の展示情報を確かめてください。
この作品を所蔵する館
- 東京藝術大学大学美術館
東京都・台東区
出典・参考
- 文化遺産オンライン 鮭〈高橋由一筆/油絵 紙〉(新しいタブで開きます)(2026-10-18 確認)
- 東京藝術大学大学美術館「藝大コレクション展 2015」出品目録(新しいタブで開きます)(2026-10-18 確認)
