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六十余州名所図会 阿波 鳴門の風波
画像:Art Institute of Chicago(作品ページ(新しいタブで開きます))(当サイトで縮小して掲載) CC0(新しいタブで開きます) 拡大して見る

六十余州名所図会 ・ 55

阿波 鳴門の風波

ろくじゅうよしゅうめいしょずえ あわ なるとのふうは

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阿波国の鳴門海峡を、渦潮の真上から見下ろすように描いた図です。画面の下半分を大きな渦が占め、岩に砕ける白い波と飛ぶ鳥の群れが、潮の激しい動きと音までを伝えてくるような一枚です。

制作年
安政2年(1855年)
技法・形式
木版画(浮世絵)
揃物
六十余州名所図会(全69図)
描かれた場所
鳴門海峡(徳島県)

作品について

手前には藍色の海が大きく渦を巻き、その中心へ向かって白い筋が吸い込まれていきます。中ほどでは両側の岩礁に波がぶつかって高く砕け、しぶきが空へ跳ね上がります。奥には穏やかな海と淡路の島影、空には鳥の群れが見えます。

海の藍は手前ほど濃く、渦の線は細かく彫られて、水の重さと速さを感じさせます。上の空は淡い黄色から茜色へ移り、荒れる海とは対照的に静かです。縦長の画面を生かし、遠景から手前の渦へ視線を落とさせる構図です。

鳴門海峡は、紀伊水道と瀬戸内海の潮の満ち引きの差で激しい潮流と渦が生まれる場所で、江戸時代にも阿波を代表する奇観として知られていました。阿波と淡路を隔てるこの海峡は、四国と畿内を結ぶ船の道でもあり、渦の激しさは旅人の語り草になっていました。

広重はのちに雪月花を描いた三枚続でも鳴門の渦を大きく描いており、この図はその先がけといえます。渦を真上から大きくとらえる大胆な視点は、のちの作品にも受け継がれました。シカゴ美術館やメトロポリタン美術館も同じ図を所蔵しています。

描かれた場所の今

鳴門海峡は今も春と秋の大潮のころに大きな渦が現れ、観潮船で間近に見ることができます。1985年に開通した大鳴門橋の橋桁の中には遊歩道「渦の道」が設けられ、ガラス床から真下の渦潮を間近に眺めることができます。

どこで見られる?

展示は時期によって入れ替わります。訪れる前に、各館の展示情報を確かめてください。

この作品を所蔵する館

出典・参考

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