夜桜之図
よざくらのず
Evening Scene of Cherry Blossoms Viewing
村上華岳が、夜桜の下で宴を楽しむ人々を描いた二曲一隻の屏風です。ぼんぼりの明かりと緋毛氈の赤が画面を満たす一方、人々は人形のように静かで、華やかさの中に独特の官能的な気配があります。
- 画家
- 村上華岳
- 制作年
- 大正2年(1913)
- 技法・形式
- 屏風
作品に ついて
背の低い八重桜の下に、ぼんぼりの明かりがいくつも並び、手前には緋色の毛氈が敷かれて、宴はたけなわです。酔って横たわる人もいれば、中ほどでは着流しの男や普段着の女がそぞろ歩きしています。にぎやかな場面なのに音曲の気配はなく、人々の顔は仮面のように表情を抑えて描かれています。右下には「華岳画」の署名と朱の印があります。
華岳は「平野の夜桜だ」と語っていたと伝えられ、京都の桜の名所である平野神社の夜桜がもとになっています。もとは三尺幅の絹を中央で継いだ額装でしたが、今は二曲一隻の屏風に仕立てられています。1914年の全国美術工芸品博覧会に「平野」の題で出品されました。
華岳は大阪の生まれで、若い頃から人形浄瑠璃に親しんでいました。浮世絵の世界を思わせる人物の描き方に、その好みが表れています。京都市立絵画専門学校の研究科を終えたばかりの頃の作品で、華岳はのちに土田麦僊らと国画創作協会を結成します。本作は京都国立近代美術館が所蔵しています。
どこで 見られる?
展示は時期によって入れ替わります。訪れる前に、各館の展示情報を確かめてください。
この作品を所蔵する館
- 京都国立近代美術館所蔵館の作品ページ(新しいタブで開きます)
京都府・京都市左京区 作品番号 J00103
出典・参考
- 国立美術館所蔵作品総合目録検索システム 村上華岳《夜桜之図》(新しいタブで開きます)(2026-10-18 確認)
