オーケストラ
おーけすとら
Orchestra
三岸好太郎が1933年に描いた、オーケストラの演奏風景を細い線だけで表した作品です。暗い地に白い楕円を置き、その中に楽団員の姿を引っかいたような線で重ねた、前衛的な試みの代表作です。
- 画家
- 三岸好太郎
- 制作年
- 1933年(昭和8年)
- 技法・形式
- 油彩
作品に ついて
黒褐色の地の上に、ゆがんだ楕円形の白い面が大きく塗られています。その白い面の中に、指揮者や弦楽器・管楽器の奏者たちが、絵の具を引っかいたような細い線で描かれています。線は何度も重なり合い、画面の中央付近では人の形がほとんど見分けられないほど密になっています。手前の下には指揮台らしい台と、チェロのような楽器が見えます。
1932年に開かれた「巴里・東京新興美術同盟展」でヨーロッパの前衛美術に触れた三岸は、抽象的な形を組み立てる「コンポジション」や、線だけで画面をつくる作品を次々に試みました。本作はその線描の様式を代表する一枚で、音楽の響きを線の重なりで表そうとしたものとされます。
三岸はこの翌年、蝶と貝殻を描いた幻想的な連作へ移り、1934年に31歳で亡くなりました。わずか数年の間に画風を大きく変えた三岸の歩みの中で、本作は前衛へ踏み出した時期を示す作品です。
北海道立三岸好太郎美術館の所蔵で、館のコレクション展で紹介されることがあります。同館は同じ題の素描も多く所蔵しています。
どこで 見られる?
展示は時期によって入れ替わります。訪れる前に、各館の展示情報を確かめてください。
この作品を所蔵する館
出典・参考
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