名画のふるさと名画と画家を地域から探す

木曽海道六拾九次之内 ・ 55

岐阻路ノ駅 河渡 長柄川鵜飼舩

きそじのえき ごうど ながらがわうかいふね

The Sixty-nine Stations of the Kisokaido: Cormorant Fishing Boats on the Nagara River at Godo Station

長良川の鵜飼を、灰色に沈む川辺の景色の中に描いた英泉の図です。篝火を焚いた舟の上で鵜匠が綱をさばき、水の中では鵜が魚を追っています。宿場の町ではなく、川の名物を主役にしています。

制作年
天保6〜7年頃(1835〜36年頃)
技法・形式
木版画(浮世絵)
揃物
木曽海道六拾九次之内(全71図)
描かれた場所
河渡宿(岐阜県)、長良川(岐阜県)

作品について

手前の大きな舟では、腰蓑を着けた鵜匠が身を乗り出して綱を操り、後ろには煙管をくわえた男が座っています。水の中には潜る鵜の姿が黒く透けて見えます。奥の川面にも篝火を掲げた舟がいくつも浮かび、対岸には松の茂る丘と低い山が連なります。

空と遠景を灰色の濃淡でまとめ、篝火の赤と舟の茶、川の藍だけを際立たせています。水面の下まで描き込んで鵜の動きを見せる工夫は、英泉らしい細やかさと考えられます。舟を右下に寄せ、左へ広がる川面に目を誘う構図です。

河渡宿は長良川の右岸にあった小さな宿場で、加納宿から来た旅人は「河渡の渡し」で川を越えました。長良川の鵜飼は古くから知られ、江戸時代には尾張藩の保護のもとで鮎を献上していたとされます。

題は「岐阻路ノ駅」で、広重の図の「木曽海道六拾九次之内」とは書き方が違います。英泉が描いた図の中では最も西の宿場で、これより京側の宿場はすべて広重が受け持ちました。題の脇には「英泉画」の落款があります。

描かれた場所の今

河渡宿は今の岐阜市河渡にあたり、長さ約330メートルの短い宿場でした。1881年に河渡橋が架かって渡しはなくなり、松下神社に一里塚跡の碑が残ります。長良川の鵜飼は今も毎年5月から10月まで、岐阜市の夏の風物詩として行われています。

どこで見られる?

展示は時期によって入れ替わります。訪れる前に、各館の展示情報を確かめてください。

この作品を所蔵する館

海外の所蔵館

出典・参考

姉妹サイト

姉妹サイトで、同じ土地の別の魅力も訪ねてみませんか。