木曽海道六拾九次之内 ・ 55
岐阻路ノ駅 河渡 長柄川鵜飼舩
きそじのえき ごうど ながらがわうかいふね
The Sixty-nine Stations of the Kisokaido: Cormorant Fishing Boats on the Nagara River at Godo Station
作品に ついて
手前の大きな舟では、腰蓑を着けた鵜匠が身を乗り出して綱を操り、後ろには煙管をくわえた男が座っています。水の中には潜る鵜の姿が黒く透けて見えます。奥の川面にも篝火を掲げた舟がいくつも浮かび、対岸には松の茂る丘と低い山が連なります。
空と遠景を灰色の濃淡でまとめ、篝火の赤と舟の茶、川の藍だけを際立たせています。水面の下まで描き込んで鵜の動きを見せる工夫は、英泉らしい細やかさと考えられます。舟を右下に寄せ、左へ広がる川面に目を誘う構図です。
河渡宿は長良川の右岸にあった小さな宿場で、加納宿から来た旅人は「河渡の渡し」で川を越えました。長良川の鵜飼は古くから知られ、江戸時代には尾張藩の保護のもとで鮎を献上していたとされます。
題は「岐阻路ノ駅」で、広重の図の「木曽海道六拾九次之内」とは書き方が違います。英泉が描いた図の中では最も西の宿場で、これより京側の宿場はすべて広重が受け持ちました。題の脇には「英泉画」の落款があります。
描かれた 場所の 今
河渡宿は今の岐阜市河渡にあたり、長さ約330メートルの短い宿場でした。1881年に河渡橋が架かって渡しはなくなり、松下神社に一里塚跡の碑が残ります。長良川の鵜飼は今も毎年5月から10月まで、岐阜市の夏の風物詩として行われています。
どこで 見られる?
展示は時期によって入れ替わります。訪れる前に、各館の展示情報を確かめてください。
この作品を所蔵する館
- 東京国立博物館所蔵館の作品ページ(新しいタブで開きます)
東京都・台東区 作品番号 A-12499-123
海外の所蔵館
出典・参考
- ColBase(東京国立博物館): 岐阻路ノ駅 河渡 長柄川鵜飼舩(新しいタブで開きます)(2026-10-19 確認)
- 国立国会図書館デジタルコレクション: 五十五 岐阻路ノ駅河渡長柄川鵜飼船(新しいタブで開きます)(2026-10-19 確認)
- Wikipedia: 木曽海道六十九次(新しいタブで開きます)(2026-10-19 確認)
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