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田沢湖漢槎宮

たざわこかんさぐう

Kansa Shrine, Lake Tazawa

川瀬巴水が、雪の降る秋田の田沢湖のほとりに建つ漢槎宮を描いた木版画です。白く積もる雪と、青緑に澄んだ湖面の対比が美しい、1927年の「旅みやげ第三集」の一図です。

制作年
1927年(昭和2年)
技法・形式
木版画(浮世絵)
描かれた場所
田沢湖(秋田県)

作品について

画面の中央に、雪をかぶった小さな社殿が湖に張り出すように建ち、右へ木の桟橋が延びています。手前の岸と社殿のまわりの木々には雪が積もり、右上からは雪をのせた松の枝が垂れています。湖の左には鳥居が水辺に立ち、遠くには雪の山並みがかすんで見えます。空からは大きな雪が絶え間なく降っています。

空と遠景を灰色がかった青でまとめ、手前の湖面を明るい青緑にして、雪の白をいっそう際立たせています。降る雪は紙の白を残す摺りで表され、画面全体に静かな動きを与えています。左の余白には「田沢湖 漢槎宮」の題と「昭和二年作」の年記があり、右下に巴水の印が押されています。

巴水は東京に生まれ、鏑木清方に日本画を学んだのち、版元の渡辺庄三郎のもとで風景の木版画を手がけました。日本各地を旅して写生し、雪や雨、夜の景色を得意としました。本作の「旅みやげ第三集」には、八郎潟や男鹿半島など秋田の景色が何点も選ばれています。

国立国会図書館が所蔵する『川瀬巴水版画集』に収められた一枚で、同館のデジタルコレクションで公開されています。

描かれた場所の今

田沢湖は秋田県仙北市にある、深さ日本一の湖です。漢槎宮は浮木神社とも呼ばれ、湖の西岸に今も建っています。近くには金色のたつこ像があり、湖の青さを眺めながら一周する道路やバスで回れます。冬は雪に包まれ、巴水が描いたような景色に出会えることもあります。

どこで見られる?

展示は時期によって入れ替わります。訪れる前に、各館の展示情報を確かめてください。

この作品を所蔵する館

出典・参考

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