燕子花図屏風
かきつばたずびょうぶ
Irises
金一色の地に、群青と緑青だけで燕子花の群れを描いた六曲一双の屏風です。花と葉の繰り返しが左右の屏風を通して波のように連なり、尾形光琳のデザイン感覚が際立つ国宝です。
- 画家
- 尾形光琳
- 制作年
- 江戸時代・18世紀
- 技法・形式
- 屏風
作品に ついて
背景は金地のみで、地面も水も描かれていません。そこに燕子花の群れが、濃淡の群青の花と緑青の葉で描かれています。花の群れは右の屏風では高く、左では低くと位置を変え、左右を通して見ると、上下に揺れるリズムが生まれています。
花びらは、絵具の厚みを生かしてふっくらと表されています。花の形の一部には、同じ型紙をくり返し使った跡が見られ、着物の文様のような意匠性を高めています。描かれているのは花と葉だけですが、その配置の工夫で大画面が組み立てられています。
背景には「伊勢物語」第9段、東下りの場面があります。燕子花の名所・八橋で、主人公が旅の思いを和歌に詠んだ話です。光琳は橋や人物を描かず、燕子花だけで物語を思い起こさせています。
尾形光琳は京都の高級呉服商の家に生まれ、俵屋宗達に私淑しました。本作は、根津美術館のもとを築いた初代根津嘉一郎が1914年に購入し、展覧会や茶会で披露しました。1951年に国宝に指定されています。
どこで 見られる?
展示は時期によって入れ替わります。訪れる前に、各館の展示情報を確かめてください。
この作品を所蔵する館
出典・参考
- 根津美術館 コレクション 燕子花図(新しいタブで開きます)(2026-10-18 確認)
- 文化遺産オンライン 紙本金地著色燕子花図〈尾形光琳筆/六曲屏風〉(新しいタブで開きます)(2026-10-18 確認)


