名所江戸百景 ・ 18
王子稲荷の 社
めいしょえどひゃっけい おうじいなりのやしろ
One Hundred Famous Views of Edo: Oji Inari Shrine
作品に ついて
右手に朱塗りの社殿と回廊の手すりが張り出し、手前の境内を参詣客が歩いています。中ほどには杉の大木が何本も高く伸び、その下には鳥居と茶店の屋根がのぞきます。奥には平野が広がり、二つの峰の筑波山が見えます。
杉の幹の縦の線を繰り返し、その間から遠景をのぞかせる構図です。社殿の朱と杉の濃い緑、夕焼けの赤い地平が、境内の厳かさと明るさを両立させています。
王子稲荷は関東の稲荷の総元締めとされた神社で、大晦日の夜には関東中の狐が集まり、狐火をともしたという伝説で知られていました。広重は冬の部の「王子装束ゑの木大晦日の狐火」でもこの伝説を描いています。
春の部の第18図です。飛鳥山北の眺望と同じく、王子の高台から筑波山を望む眺めを繰り返して、王子周辺の名所を続けて見せています。改印は安政4年(1857)9月です。杉の幹を画面の前に重ねる構図は神田明神の図にも通じ、境内の木立の高さを印象づけています。参詣の人々の姿から、王子が江戸の人々の手軽な行楽地だったことがうかがえます。
描かれた 場所の 今
王子稲荷神社は今も北区岸町にあり、2月の午の日の凧市で知られています。狐火の伝説にちなみ、地元では大晦日の夜に狐の面を付けて練り歩く「王子狐の行列」が行われています。境内の奥には狐の穴と呼ばれる場所も残ります。
どこで 見られる?
展示は時期によって入れ替わります。訪れる前に、各館の展示情報を確かめてください。
この作品を所蔵する館
- 東京国立博物館所蔵館の作品ページ(新しいタブで開きます)
東京都・台東区 作品番号 A-12499-336
海外の所蔵館
- シカゴ美術館所蔵館の作品ページ(新しいタブで開きます)
シカゴ 作品番号 1939.1497
出典・参考
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