母子
ぼし
Mother and Child
上村松園が、明治の京都の町家に暮らす母が幼子を抱き上げる姿を、ほぼ等身大で描いた作品です。母を亡くした年に描かれ、松園が母と子を主題とするきっかけとなりました。重要文化財です。
- 画家
- 上村松園
- 制作年
- 昭和9年(1934)
- 技法・形式
- その他
作品に ついて
眉を剃り、お歯黒をした若い母が、幼子を胸に抱き、いとおしむように見つめています。背後には斑竹(まだらの模様が出る竹)で編んだ簾が細密に描かれ、その奥に部屋が続いていることを感じさせます。画面の左側は大きく余白として残され、母子の姿が静かに浮かびます。画面は縦168センチ、横115センチほどで、右下に落款と印があります。
色は明るく柔らかく、そこに母の髪や帯の黒が強い明暗の対比をつくります。本作は1934年の第15回帝展(帝国美術院展覧会)に出品されました。松園が久しぶりに帝展に発表した作品で、当時の帝展の彩色のあり方や、急速に進む西洋化に対する、松園なりの答えでもありました。
同じ年の2月、松園は母仲子を亡くしています。本作には母をしのぶ思いが重なり、以後の松園は母性を主題とした作品を多く描くようになりました。文部省からの管理換で東京国立近代美術館の所蔵となり、2011年に重要文化財に指定されました。
どこで 見られる?
展示は時期によって入れ替わります。訪れる前に、各館の展示情報を確かめてください。
この作品を所蔵する館
- 東京国立近代美術館所蔵館の作品ページ(新しいタブで開きます)
東京都・千代田区 作品番号 JI0007
出典・参考
- 国立美術館所蔵作品総合目録検索システム 上村松園《母子》(新しいタブで開きます)(2026-10-18 確認)
- 文化遺産オンライン 母子〈上村松園筆/絹本著色〉(新しいタブで開きます)(2026-10-18 確認)
