エロシェンコ氏の 像
えろしぇんこしのぞう
Portrait of Vasilii Eroshenko
中村彝が、日本に滞在していたロシアの盲目の詩人ワシリー・エロシェンコを描いた肖像画です。伏し目がちの顔と波打つ金髪を、温かな褐色の色調と柔らかな筆づかいでとらえています。重要文化財です。
- 画家
- 中村彝
- 制作年
- 大正9年(1920)
- 技法・形式
- 油彩
作品に ついて
エロシェンコの胸から上が、画面いっぱいに描かれています。顔はやや下を向き、閉じた目もとに静かな表情が浮かびます。金色の巻き毛や白いシャツは、絵具を重ねた柔らかな筆の動きで表され、背景の茶色と溶け合いながら、頬や唇の赤みを引き立てています。縦45センチほどの画面で、右下に署名と年記が入っています。
彝は白馬会研究所や太平洋画会研究所で学び、1909年の文展で褒状、翌年に三等賞を受けて早くから認められました。1916年に東京・下落合に建てたアトリエで病と闘いながら制作を続け、レンブラントやルノワールらの絵画を学びつつ、自分の表現を深めていきます。本作もこのアトリエで、友人の画家鶴田吾郎との競作として描かれました。
本作は1920年の第2回帝展に出品され、2年後にはパリの日仏美術交換展でも好評を得ました。1956年度に寄贈されて東京国立近代美術館の所蔵となり、1977年に重要文化財に指定されています。
どこで 見られる?
展示は時期によって入れ替わります。訪れる前に、各館の展示情報を確かめてください。
この作品を所蔵する館
- 東京国立近代美術館所蔵館の作品ページ(新しいタブで開きます)
東京都・千代田区 作品番号 OI0001
出典・参考
- 国立美術館所蔵作品総合目録検索システム 中村彝《エロシェンコ氏の像》(新しいタブで開きます)(2026-10-18 確認)
- 文化遺産オンライン エロシェンコ像〈中村彝筆 一九二〇年/油絵 麻布〉(新しいタブで開きます)(2026-10-18 確認)
