湖畔
こはん
Lakeside
作品に ついて
浴衣を着た女性が湖畔の岩に腰かけ、団扇を胸元に持って、右の方へ顔を向けています。背後には静かな湖面と対岸の緑の山並みが広がり、画面全体が薄い青を中心にした淡い寒色でまとめられています。浴衣の色や縞の柄が水の色と通い合い、湖と女性がひとつの調子で結ばれています。
1897年8月、黒田はのちに妻となる照子とともに箱根に滞在し、芦ノ湖畔で本作を描きました。モデルとなった照子の回想によれば、黒田が連日、湖畔で水を描く研究をしていた折に生まれた作品です。同じ年の第2回白馬会展に「避暑」の題で出品されました。左下には「SEIKI KOURODA」の署名と1897の年記があります。
団扇を手に涼をとる女性という日本的な主題に、西洋の油彩の技法を溶け合わせた本作は、日本的な油彩画の典型を示す作品です。教科書や切手にも取り上げられ、広く親しまれてきました。東京国立博物館が所蔵し、1999年に重要文化財に指定されました。
描かれた 場所の 今
芦ノ湖は、箱根火山のカルデラ(火山の大きなくぼ地)にできた周囲約20キロの細長い湖です。約3100年前の山崩れの土砂が川をせき止めて、今の湖になりました。南岸の杉並木の街道からは湖面に映る「逆さ富士」が見られ、湖の眺めは今も箱根を代表する景色です。
どこで 見られる?
展示は時期によって入れ替わります。訪れる前に、各館の展示情報を確かめてください。
この作品を所蔵する館
- 東京国立博物館所蔵館の作品ページ(新しいタブで開きます)
東京都・台東区 作品番号 KU-a117
出典・参考
- ColBase 東京国立博物館(黒田記念館) 湖畔(重要文化財)(新しいタブで開きます)(2026-10-18 確認)
- ジャパンサーチ 東京国立博物館(黒田記念館) 湖畔(重要文化財)(新しいタブで開きます)(2026-10-18 確認)
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