名所江戸百景 ・ 11
上野清水堂不忍ノ池
めいしょえどひゃっけい うえのきよみずどうしのばずのいけ
One Hundred Famous Views of Edo: Kiyomizu Hall and Shinobazu Pond at Ueno
作品に ついて
右手に朱塗りの清水堂の舞台が張り出し、花見客が手すりから景色を眺めています。手前の斜面は満開の桜で埋まり、坂を人々が上り下りします。左には枝が丸い輪を描く松が立ち、その向こうに不忍池と弁天島、対岸の森が広がります。
桜の淡い桃色と舞台の朱、松の緑、池の水色が明るく響き合います。輪になった松の枝は額縁のような役割を果たし、その中に池の景色をのぞかせる趣向になっています。
清水観音堂は寛永寺の一堂で、京都の清水寺にならって舞台造りで建てられました。上野の山は江戸随一の花見の名所で、不忍池は琵琶湖に見立てられ、中島に弁財天が祀られていました。
春の部の第11図です。月の松の丸い輪は広重が好んで描いた景物で、秋の部の「上野山内月のまつ」でも同じ松が主役になっています。改印は安政3年(1856)4月で、刊行の初めの年の図です。花見の季節を描いた図は春の部に多く、本図は上野の山の華やぎを伝える代表的な一枚です。
描かれた 場所の 今
清水観音堂は今も上野恩賜公園にあり、国の重要文化財です。月の松は明治の初めに台風で失われましたが、2012年に再現され、輪の中から不忍池の弁天堂を望めます。春には公園一帯が花見客でにぎわいます。
どこで 見られる?
展示は時期によって入れ替わります。訪れる前に、各館の展示情報を確かめてください。
この作品を所蔵する館
- 東京国立博物館所蔵館の作品ページ(新しいタブで開きます)
東京都・台東区 作品番号 A-12499-329
海外の所蔵館
- シカゴ美術館所蔵館の作品ページ(新しいタブで開きます)
シカゴ 作品番号 1938.538
出典・参考
- Art Institute of Chicago: Kiyomizu Hall and Shinobazu Pond at Ueno (Ueno Kiyomizudo Shinobazu no ike), from the series "One Hundred Famous Views of Edo (Meisho Edo hyakkei)"(新しいタブで開きます)(2026-10-19 確認)
- ColBase(東京国立博物館): 名所江戸百景 上野清水堂不忍ノ池(新しいタブで開きます)(2026-10-19 確認)
- 国立国会図書館デジタルコレクション: 名所江戸百景 上野清水堂不忍ノ池(新しいタブで開きます)(2026-10-19 確認)
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