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鷹見泉石像

たかみせんせきぞう

The Scholar Takami Senseki

渡辺崋山が、蘭学者でもあった古河藩家老・鷹見泉石を、武士の正装姿で描いた肖像画です。正面を見すえる鋭い眼差しと、陰影を加えた顔の表現に、人物の教養と強い意志がにじむ国宝です。

制作年
江戸時代・天保8年(1837)
技法・形式
掛軸

作品について

武士の正装に身を包んだ泉石が、鋭い眼光で正面を見すえています。衣は簡潔な線と淡い色でさらりと描かれる一方、顔には細やかな陰影がつけられ、骨格や肌の張りまで感じられます。衣と顔の描き分けによって、人物の存在感が画面の中心に集まっています。

泉石は古河藩の家老で、西洋の学問を研究する蘭学者でもありました。崋山は田原藩の江戸詰めの家老で、藩政改革に力を尽くすかたわら、苦しい家計を助けるために絵の道にも励みました。蘭学を通じて泉石と交わり、西洋画の遠近法や陰影法を取り入れた独自の画風を築いています。鷹見家には、泉石が藩主の代わりに浅草の誓願寺へ参拝した折の正装姿だという言い伝えがあります。本作は崋山の肖像画の中でも最高の傑作です。

落款には天保8年(1837)4月15日の制作と記されています。作品は古河の鷹見家に伝わり、1938年、関東大震災後に再建された東京帝室博物館(今の東京国立博物館)本館の開館を記念して、同館に移されました。

どこで見られる?

展示は時期によって入れ替わります。訪れる前に、各館の展示情報を確かめてください。

この作品を所蔵する館

出典・参考