ばら
ばら
Roses
フィンセント・ファン・ゴッホが南仏サン=レミの療養院の庭で、茂みに咲くばらを描いた小品です。画面全体を埋める短くうねる筆づかいに、最晩年の作風の始まりが見えます。
- 制作年
- 1889年
- 技法・形式
- 油彩
作品に ついて
横41センチほどの画面いっぱいに、緑の茂みと白や薄紅のばらが広がります。空も地平線も描かれず、葉や草は短い筆の線を重ねて表され、画面全体が波打つように見えます。左下には草の間を抜ける明るい小道のような部分があり、視線を奥の茂みへと導きます。
ゴッホは印象派や浮世絵に学んで、強い色彩による独自の表現を築きました。1888年末に南仏アルルでポール・ゴーギャンと共同生活を始めますが、まもなく精神の発作に見舞われます。翌1889年に入院したサン=レミの療養院で、その庭のばらを描いたのが本作です。最晩年の作品に見られる激しくうねる筆づかいが、ここにすでに表れています。ゴッホは翌1890年に亡くなりました。
本作はまずオーヴェール=シュル=オワーズのガシェ家が持ち、パリの画商ポール・ローゼンベルクを経て、1922年頃に松方幸次郎が購入しました。1944年にフランス政府に接収されたのち、1959年に日本へ返還され、国立西洋美術館に収められました。
どこで 見られる?
展示は時期によって入れ替わります。訪れる前に、各館の展示情報を確かめてください。
この作品を所蔵する館
- 国立西洋美術館所蔵館の作品ページ(新しいタブで開きます)
東京都・台東区 作品番号 P.1959-0193
出典・参考
- 国立美術館所蔵作品総合目録検索システム ゴッホ、フィンセント・ファン《ばら》(新しいタブで開きます)(2026-10-18 確認)
- 国立西洋美術館 所蔵作品 ばら(新しいタブで開きます)(2026-10-18 確認)



