波
なみ
Waves
ギュスターヴ・クールベが、ノルマンディー地方エトルタの荒れた海を描いた作品です。画面の半分を占める大波が手前に迫り、黒みを帯びた青緑の海と灰色がかった茜色の空が強く対比します。
- 制作年
- 1870年頃
- 技法・形式
- 油彩
作品に ついて
重い雲の垂れこめた空の下で、白く砕ける大波が手前の岩にぶつかろうとしています。波は画面の下半分を占め、見る人の足もとへ押し寄せてくるようです。クールベは絵筆とペインティングナイフ(へら状の道具)を使い分け、飛び散るしぶきと厚く重い水の量感を描き分けました。
山がちな土地オルナンに生まれ育ったクールベにとって、海は長くなじみの薄い題材でした。1860年代後半からノルマンディーの海岸に通い、本格的に海を描くようになります。同じ頃、この海岸ではブーダンやモネらも制作しており、1868年にル・アーヴルで開かれた国際海洋展には、クールベ、マネ、モネ、ブーダンらが出品しています。本作には物語も人物もなく、移ろう波と空の姿だけが見たままにとらえられています。同じ年には、同じ主題の作品がほかにも描かれました。
本作はパリの売立てや画廊を経て、1921年に松方幸次郎が購入しました。1944年にフランス政府に接収され、1959年に日本へ返還されて国立西洋美術館に入りました。
どこで 見られる?
展示は時期によって入れ替わります。訪れる前に、各館の展示情報を確かめてください。
この作品を所蔵する館
- 国立西洋美術館所蔵館の作品ページ(新しいタブで開きます)
東京都・台東区 作品番号 P.1959-0062
出典・参考
- 国立美術館所蔵作品総合目録検索システム クールベ、ギュスターヴ《波》(新しいタブで開きます)(2026-10-18 確認)
- 国立西洋美術館 所蔵作品 波(新しいタブで開きます)(2026-10-18 確認)
