夷酋列像粉本
いしゅうれつぞうふんぽん
Preparatory Drawings for Portraits of Ainu Chiefs (Ishū Retsuzō)
松前藩の家老で画家の蠣崎波響が、アイヌの長たちの肖像「夷酋列像」を描くときに用いた下絵です。13枚が函館市中央図書館に伝わり、北海道の有形文化財に指定されています。
- 画家
- 蠣崎波響
- 制作年
- 1790年(寛政2年)頃
- 技法・形式
- その他
作品に ついて
画像の一枚では、長いひげをたくわえた人物が、腰を下ろして長い槍を斜めに携えています。衣には雲と竜の文様、裾には波の文様が、墨の細い線でていねいに写されています。耳飾りや衣のひだまで線で描き分けられ、彩色はほとんど施されていません。完成作に向けて、姿や衣装の細部を確かめるための下絵だったと考えられます。
1789年、国後島や根室地方のメナシで、和人の商人の扱いに不満を持ったアイヌの一部が蜂起しました(クナシリ・メナシの戦い)。鎮圧ののち、松前藩主の命を受けた波響は、藩に協力したアイヌの長12人の肖像を描き、1790年に「夷酋列像」として完成させました。中国風の豪華な衣装(蝦夷錦)を着た姿で描かれていることが知られています。
完成作の11図は1984年にフランスのブザンソン美術考古博物館で見つかりました。函館市中央図書館の粉本は13枚からなり、そのうち9枚が波響自身の筆とされます。完成作と比べることで、当時のアイヌと周りの民族との交易や関わりを知る手がかりにもなっています。
原物は貴重資料として保存され、通常は公開されていません。函館市中央図書館のデジタル資料館で画像を見ることができます。
どこで 見られる?
展示は時期によって入れ替わります。訪れる前に、各館の展示情報を確かめてください。
この作品を所蔵する館
出典・参考
北海道をもっと知る
姉妹サイトで、同じ土地の別の魅力も訪ねてみませんか。
