あおきしげる・1882〜1911年
青木繁
福岡県久留米出身の
青木繁は明治15年(1882)、福岡県久留米に生まれました。中学時代には、同級生の坂本繁二郎とともに洋画家の森三美に絵を習っています。上京して明治33年(1900)に東京美術学校西洋画科に入り、黒田清輝らに学びました。
在学中から『古事記』などの神話に強くひかれ、明治36年(1903)には神話を題材にした作品で第1回の白馬会賞を受けました。卒業直後の明治37年(1904)夏、坂本や恋人の福田たねらと房州(現在の千葉県南部)の布良の海辺に滞在し、「海の幸」を描きます。大きな魚をかついで浜を行く裸の漁師たちの行列を、横長の画面にいきいきと描いた作品で、塗り残しや下描きの線も見える勢いのある筆づかいが特徴です。「海の幸」は同じ年の白馬会展に出品されました。
明治40年(1907)の「わだつみのいろこの宮」も海と神話を結びつけた代表作です。しかし評価は思うように得られず、同じ年に父の死で郷里に戻ったあとは、九州各地を放浪しながら制作しました。明治44年(1911)、福岡市の病院で亡くなりました。28歳でした。「海の幸」と「わだつみのいろこの宮」はともにアーティゾン美術館が所蔵しています。郷里の久留米市には、青木繁旧居が保存されています。
