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黒扇
画像:Wikimedia Commons(作品ページ(新しいタブで開きます))/所蔵:アーティゾン美術館(石橋財団)(当サイトで縮小して掲載)。所蔵館の提供ではありません PD-Art-two (PD-Japan, PD-1923)(新しいタブで開きます) 拡大して見る

黒扇

こくせん

The Black Fan

白いヴェールをかぶった女性が、胸もとで黒い扇を広げてこちらを見つめる半身像です。白と黒の対比と、肌やヴェールに差した青い影を、素早く力強い筆で描いた藤島武二のヨーロッパ留学期の作品です。

制作年
明治41~42年(1908~09)
技法・形式
油彩

作品について

女性は頭から白いヴェールをかぶり、黒い扇を両手で胸の前に広げています。ヴェールの白、扇の黒、背景の灰褐色という限られた色で組み立てられ、顔の明るさがいっそう際立ちます。ヴェールの影や頬には青が差され、白一色に見える部分にも色の変化があります。

筆の運びは速く、ヴェールのひだや扇の骨は、ひと筆ごとの太い跡で表されています。描き込みすぎない仕上げが、モデルの表情に生き生きとした感じを与えています。左上には画家のサインが入っています。黒い扇の骨にも灰色や青が混ぜられ、平板な黒になっていません。

藤島武二は鹿児島生まれの洋画家で、東京美術学校で長く後進を指導しました。約4年間ヨーロッパに留学し、本作はその滞在中の1908~09年に描かれた女性像の代表作です。1969年に重要文化財に指定されています。

藤島は晩年になってもこの絵をことのほか大切にしていました。アーティゾン美術館によれば、本作は創設者の石橋正二郎が、画家との深い信頼関係のもとで譲り受けたものです。

どこで見られる?

展示は時期によって入れ替わります。訪れる前に、各館の展示情報を確かめてください。

出典・参考