矢 調べ
やしらべ
Examining an Arrow
板の間に座った白いひげの老人が、手にした矢の曲がりを確かめる姿を描いた、岡田三郎助24歳の油彩画です。佐賀県重要文化財で、画家の故郷にある佐賀県立美術館が所蔵しています。
- 画家
- 岡田三郎助
- 制作年
- 1893年(明治26年)
- 技法・形式
- 油彩
作品に ついて
暗い室内の板の間に、着物姿の老人が足を前に出して座り、矢を目の高さに持ち上げて、軸が曲がっていないかをのぞき込んでいます。床にはもう1本の矢が置かれ、左の壁際には弓と矢が立てかけられています。背景はほとんど闇に沈み、光は老人の顔と手、白い羽根、縞の着物に集まっています。右下には縦書きの年記と署名が入っています。縦約73センチ、横約105センチの、明治の洋画としては大きめの画面です。
制作は1893年(明治26年)で、岡田が黒田清輝と出会ってフランス仕込みの明るい外光表現を学ぶ前の作品とされます。茶色を基調にした落ち着いた色と、しわや手の筋まで丁寧に追う写実的な描き方には、明治前半の洋画の流れがよく表れています。
弓矢の手入れという古風な題材を、油絵の写実で描いた点にこの絵の面白さがあります。のちに優美な女性像で知られる岡田の、若い時期の確かな描写力を示す作品として、佐賀県の重要文化財に指定されています。佐賀県立美術館の岡田三郎助専用の展示室「OKADA-ROOM」などで、展示替えをしながら公開されています。
どこで 見られる?
展示は時期によって入れ替わります。訪れる前に、各館の展示情報を確かめてください。
この作品を所蔵する館
出典・参考
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